朝から気温は上がらず、曇り。JECの第2戦といえば、灼熱との戦いになるタフなレースが繰り広げられていたが、富山に会場が移ったことで暑さとの戦いは免れたか。注目の第2戦は、おおよそ5分前半のトップライム争いでスタートした。

IA 差が拡大したトップ陣

下馬評通り、釘村忠・鈴木健二・田中教世の3名がトップ争いを演じる展開。だが、予想外だったのは釘村忠の圧倒的なスピードだった。

釘村は、このレースに備えて今シーズンのマシンCRF450RXを相当な真剣さをもって仕上げてきた形。見た目にはタンクをモトクロス用のチタン製に変えたにとどまるものの、形状だけでなくその重さなどからフロントサスペンションのセッティングをも煮詰めてくるほどの徹底ぶり。また、ほとんど乗り込めなかった昨年とは打って変わって、必勝体制で臨んでいる。ライバルの鈴木健二とて、日本初のゴールドメダルを狙うためにISDEへ向けて調整を思いきりかけている最中であり、また「忠も用意してくると思っていたので、僕も気合いを入れて臨みました」と言うほど。

それでも、レース展開を追う必要すら感じないほどに、今戦は釘村忠の圧勝。なんせ、すべてのテストで1番時計であった。鈴木は1周毎に釘村とのタイム差に打ちのめされていくことになる。「1周目は2秒差。これならまだ詰められると攻めても2周目で5秒差まで離されました。3周目には、そのタイム(5分9秒)まで攻めて詰めることができたんですが、忠はさらに5秒詰めてきた。もう、やられた、今回はダメだと思いましたね」と鈴木は振り返る。

釘村は「それでも、ミスがなかったわけではないんです。もっといけると、思いました」と言う。「最近は、モトクロスの練習ではなく、タイムをいかに詰められるか、の練習をするようにしています。オンタイムを想定して、たとえばコースを3周タイムアタックしてから、リエゾン的に数周する。どのラインが速いか、どうすれば安定したタイムが出せるか、と考えながらやっていますね」とのこと。

一方、2位鈴木と3位田中教世の間も離れており、鈴木はすべてのテストで2番時計、田中がすべてのテストで3番時計を出した形だ。田中は、開幕の体制とは異なり、TEAM REDSEEDといった新チーム体制での参戦。「今年1年は、準備。来年、しっかり攻めきれればいいなと思っています。まだ、エンデューロの走り方がわかっていません、怖さを感じるところもある」とのこと。「新しいことをやれるのは、楽しいですね」とこれまで集中して全日本モトクロスでファクトリーを背負ってきた田中らしい、和やかな笑顔がこぼれる。

3名のライダーは、公道で走れるエンデュランサーを持たないことから、次戦日高2デイズエンデューロはおそらくトレールでの勝負。釘村は「去年しっかりテストができたし、最近はエンデューロマシンの作り方もわかってきたので、同じ失敗はしないと思います!」と息巻くところ。

IB 中島敬則の圧勝、次戦からIAへ

今シーズンは、エンデューロやクロスカントリーに打ち込んでいる、モトクロス国際A級の中島敬則が、IBクラスを席巻。こちらも全テストで1位、さらに言うと総合でも3位に食い込む活躍を見せた。これでIAへの特別昇格の権利を得た中島だが「じつは、モトクロスでもIBタイトルをとれていないので、今年はIBチャンピオンを狙っていたんですが…」とのこと。まわりに推され、IAへ昇格することになりそうだ。「転ばない走りをすることを、心がけていて、数秒のロスを招いたとしても転ばないように、していますね。一回転ぶと大きなタイムロスになってしまうので、エンデューロは難しいですね。まだ1年目なので、目標らしい目標はないです。海外レースはモトクロスの頃からやりたかったことなのですが、まだ見えてきていない分現実感もない」と言うが、このままいくとワールドトロフィーに選出される日は遠くない。

2位は、仙台の新沼光。EnduroGPで得た経験を反映できたか、3位に大神智樹。2番時計を分け合うこの二人は、今シーズン好敵手となりそうだ。

ナショナル

ナショナルクラスは、地元の齋藤祐太朗が圧勝。かつてBetaレーシングのエースをJNCCでつとめていたトップランカーで、5周目のタイム5分18秒81は、鈴木健二のワーストタイムを上回るほどに速い。「チームオーダーで、何が何でもケンジさんに勝つ周を、とのことでした(笑)」見事、北陸の体を張った作戦が功を奏した形だ。

ウィメンズ

ウィメンズクラスでは、近藤香織と菅原聖子が激しい1番時計争いを演じたものの、スピード勝ちで近藤が菅原を上回り、今季2勝目をマーク。「最初の周で転倒してしまったんですが、落ち着いて走ったら勝つことができました。ありがとうございます」とのこと。