この数年、雨に祟られた日高2デイズエンデューロ。今年は、後日台風が北海道を襲う予報となっているものの、1日目は気温もそこそこに晴天。20度以下の、初秋の北海道を満喫できる1日になった。

早朝に発表されたタイム設定はB。念入りに判断した結果、若干の余裕を持たせるための措置で、水量が増した川も1区間キャンセルするルートがとられた。

IA 安定したスピードで前橋孝洋が席巻

タイム計測のないテストは今回は設定されておらず、またクロステストがスタート直後にあるために、スタートを切ってすぐに全開でタイムアタックを強いられる今レース。肌寒い気温の中、エンジンも体も温めておけず、コールドスタートでグラストラックへと入っていく。気を吐いたのは、釘村忠。昨年、スタックで苦い思いをさせられた経験もあって、CRF250Lは万全の準備をしてきた。

しかし、最初のクロステストで2番手につけた前橋は、その後トップタイムを連発。特にエンデューロテストやエクストリームテストでは、トレールとレーサーの差を埋めることが難しく、攻めあぐねる釘村を尻目に、前橋がIAクラスを席巻。

鈴木健二の立ち上がりはよくなかったものの、さすがはベテランというべきかエクストリームテストでは特に好調を喫し、前橋を唯一追い詰める存在となった。よもや昨年の雪辱なるか、というタイムで鈴木が前橋を追うが、なんと鈴木は5分の早着を犯してしまう。本人も「素人かってミスですよね…」と評する落ち度に、前橋は容赦なくタイムを延ばし続け、一度エクストリームテストで転倒、ロスをしてしまうものの、最終的には30秒近いリードをもって優勝。

前橋は「ルートミスして一度焦ったんですが、なんとかオンタイムで走り抜きました。エンデューロテストは、すごく気持ちよかったですね。バイクも2スト250なので、かなり楽ができましたね。いつもエクストリームテストみたいな難しいところでミスをしているので、明日はノーミスでさらにタイムを詰めたいところです。昨年は、DAY2を逃してしまいましたからね」とのこと。

2位は釘村。万全にモディファイを施してきたCRF250Lだが、エンジン・ECUなどには手が入っておらず、さすがにパワー不足が否めないところ。釘村も「限界ですね、これ以上は難しいと思う」とのこと。「ミスもそこそこありましたが、自分なりにはよく出来たと思います。今日走ってみて、もう少し煮詰められる部分も見つけられたので、1〜2秒は縮められるかも、と思っています。混戦ですし、タカ(前橋)をなんとかやっつけたいですね」

鈴木のペナルティを受けて3位へ繰り上がったのは、熊本悠太だった。「実は、何回か前走車に追いついてしまった場面があって、タイムロスしてしまっています。うまくコトが運べば、もっとタイムを詰められると思っています。ただ、明日2日目は路面も荒れてくるので、そうなると健二(鈴木)さんもさらに速くなりますよね」と。

IB 世界の経験が大神智樹を押し上げた

IBクラスは、今季に関しては大神智樹と新沼光がトップ争いを演じているところ。今季、エンデューロGPのイタリアラウンドを経験した大神は、よりライディングに集中するために職を変えてトレーニングの時間をしっかり作ってレベルを上げてきた。その結果、2位新沼に1分を超えるリードをもって圧勝。IAで言えば9位に入るタイム。

「思ったより新沼君もついてくるし、ペースも上げられず課題は多かったです。エンデューロテストでも迷ったあげくに転倒してしまった。とにかく開けて、かつミス少なくコンスタントにタイムを出せるような走りを心がけたい」と大神。

スムーズなレクシィの走り

ナショナルクラスは、地元北海道でここ日高にも深く貢献している日高モーターサイクリストクラブ佐藤裕二が圧勝。クラスを超えたタイムで、IB大神に迫るスピードを魅せた。

ウィメンズでは、カナダから来日しているレクシィ・ピショーが、余裕の勝利。エンデューロクロス全米チャンピオンの経歴を持つ彼女らしく、スムーズなエクストリームテストのライディングにギャラリーもため息をもらすほど。「日本のコースは、ワイドなロケーションでカナダとは違う。オンタイムレースも無いですしね。オンタイムは、こうやってみなさんと一緒にしゃべったり、休憩をとりながらレースできるので楽しいです。日本のウィメンズはタフなライダーたちばかりで驚かされました!」とレクシィ。