2018年の全日本エンデューロ選手権もいよいよ最終戦、SUGO2デイズエンデューロを迎えた。各クラス、ランキング争いが熾烈さを増していく中、最終戦ということもあっていつものメンバーとは違った実力者が参戦している。1人目は、JNCCで今季チャンピオンに輝いた渡辺学。過去、ヤマハのモトクロスファクトリーライダーであった。2人目は、すでにSUGOのスポット参戦がおなじみになっているTeam TARGETの横澤拓夢(現役モトクロスIA)だ。

<IA 渡辺がレースを「支配」、魅せるためのタイムに17チャンピオンが翻弄される>

北海道の地震の影響で、第4-5ラウンド日高を自粛したライダーも多かったIAクラス。17チャンピオン釘村忠や、鳴り物入りでフルシーズン参戦をしている田中教世らがこれにあたる。SUGO前の状況としては、タイトルの目があるのは前橋孝洋、そして鈴木健二の2名。鈴木は日高でのDNFが響き、前橋に7ポイントリードされている状況だ。

序盤、渡辺、釘村、横澤が横一線に並ぶ立ち上がり。誰が勝ってもおかしくなさそうな僅差だったが、わずかに渡辺がエクストリームテストで速く、釘村はエンデューロテストに長があった。特に3本目のエンデューロテストでは、釘村が圧巻の2分32秒台、渡辺より2秒ほど速く、先行する渡辺に追いつくのではないかと思わせたのだが、4周目に入ったところで渡辺はエクストリームテストにおいて1分36秒と釘村らを5秒も引き離す大差をつける。これは、渡辺の作戦だった。

釘村は「序盤から中盤にかけて少しずつつめていけたんですが、4周目のマナブくんのエクストリームテストが速くて、なんとかついていこうとしてプッシュしたんです。で、5周目のエクストリームテストでスタック。攻めすぎてしまいました。4周目終わったところで積算4秒くらいの差までつめられていたので、エンデューロテストでもさらにタイムを削ろうとしていたんですけどね…」と悔やむ。わずかなミスだが、これで2位が決定。

渡辺は、これで2度目のJEC参戦だがだいぶ期間が離れており、ほとんど初といっていい状態。「みんなは走り慣れてるので、下見の時にもどんどん先にいっちゃうんですよ…だから、僕も下見してるのにラインはわからないままでした。オンタイムエンデューロは、モトクロスより遙かに集中したスプリントのように感じました。
4周目のエクストリームテストはわざと速く走りました。タダシ(釘村)が僅差だったのも知っていたので、思い切りつめて慌てさせてやろうと思ったんです」との作戦は見事に成功。飄々とした性格で、着実にリザルトをつかみにいった。

横澤も同じく惑わされたか、エクストリームテストで2つもミス、順位を大きく落としてしまう。3位に浮上したのはアベレージで稼いだ田中教世。「この1年を通して、僕は慣れるのにすごく時間がかかるんだというのがわかりましたね、今回もそうで後半ようやくペースがつかめました」と4周目のクロステストでは1番時計をマークしている。

鈴木健二は、「2週間酒を飲まずに、トレーニングもして用意したのに、体が全然動かなかった…こんなに乗れないなんて」と驚愕、6位の結果。これにつづいて前橋孝洋が7位、「面子のレベルも高いですし、何事もなくレースが進んだらタイトルは厳しいと思っていました。だから、僕はやれることをやろうと」と淡々とした走り。「明日はできれば3番手タイムくらいでまとめられたらうれしい」と、鈴木に6ポイントのアドバンテージをもってチャンピオンに大手をかける。

<IB 「まだ余裕を残して」保坂修一が勝利>

復活したトップライダー齋藤祐太朗がポイントリーダー、保坂修一が5ポイント後ろでチャンピオンを見据えるIBクラス。これまでのレースでなかなかタイムをまとめられなかった、若手保坂・飯塚翼ツートップがここにきて爆発。特に保坂は10つのテストで1番時計を出し、まさに圧勝を遂げた。2位は飯塚、齋藤が3位でポイントランキング上、保坂と齋藤がタイで並ぶことに。

保坂は「今日は走れていたと思います。でも、もう少し隠しているものがあるので、明日はまだ加速できるはず」と自信をのぞかせる。

<ウィメンズ 近藤香織4年ぶりのチャンピオンを決定>

ウィメンズは、ドイツのEnduroGPに参戦してきた増田まみが気を吐き1位に。「マシンもローダウンしてもらって、調子が良いです」とのこと。

ポイントランキング上は、1位近藤香織と2位菅原聖子との差が24であったが、このSUGOで近藤2位、菅原3位の結果。これで26ポイント差に拡がったことで、近藤のチャンピオンが確定した。「そうだったんですね、気づいてませんでした。私は、いつも毎戦しっかり完走したいと思っているので、結果的にチャンピオンがとれたことは素直にうれしい」と近藤。