全日本エンデューロ選手権 Rd.5 SUGO大会 DAY1「釘村忠、チャンピオン防衛に王手」

全日本エンデューロの中でも、特段歴史のあるSUGO2デイズエンデューロが今年も開催。世界戦であるエンデューロGPと同様に、1DAYごとが1ラウンドとして数えられるため、このDAY1は最終ラウンドの1つ前ということになる。コロナ禍の影響を受けた全日本エンデューロだが、例年とほとんど変わらぬラウンド数を競うことができたことは、主催や運営団体、あるいは関係者の尽力によるものだろう。このたびのSUGO2デイズエンデューロは、SUGOスポーツクラブの主催。何度か主催が変わってきたこのSUGO2デイズエンデューロだが、また新しい大会として「村田SUGO2デイズエンデューロ」と呼称されることとなった。

今までにない釘村忠の表情、まだ日本は前進できる

昨年、ISDEポルトガルでゴールドメダルを決めたのも、この11月中旬だった。釘村忠は、日本初のゴールドメダリストとして、今年に入ってから特に日本の若手を牽引しようとしてきた。それだけでなく、自らのトレーニングも一層充実したものとなり、マシンも一新。2019-2020は釘村にとっての大きな節目になっている。

いなべにおける好調に満足すること無く、釘村はSUGOに対してさらにマシンを煮詰めてきた。X-TRIGのトリプルクランプや、サスの新セッティングなどをおしすすめ、万全の体勢に。序盤若干くすぶるものの、3周目あたりから手がつけられないタイムを連発。誰も2分を切れないクロステストでも1分57秒まで攻め込むなど、圧倒するスピードを見せつけた。2位鈴木健二には30秒以上の大差をつけ、2020年チャンピオンに王手である。

釘村は「実は、80%くらいのイメージでした。マシンの仕上がりがとてもうまくいっていて、バイクがとても走ってくれる。もっと攻めることができる余地が見えたんですが、リスクもあると思って、とめていたような感じです。今後は、そのもっと攻めた領域まで踏み込めるといいですね。明日は、モトクロスが多いので熱田さんについていけるように頑張ります」と謙遜する。今年から乗り換えたBetaは、いよいよ仕上がった感。

2位鈴木健二も、釘村と離されたものの3位を離して余裕の2位。「僕にとって難しいテストでした。エンデューロテスト2は、かなりスリッピーでタイム差はつきやすかったと思います。SUGOのモトクロスコースを含むエンデューロテスト1は、さすがに2スト300や4スト450相手にはきつかったですね、ストレートが多いですし、50歳前の僕ではもうモトクロスには体がついていきませんよ! それにしても忠は速いね、今日は敵いませんでした」と鈴木。来年は、エルズベルグロデオへの参戦を表明しており、このオンタイムエンデューロでもしっかり身体を作り込んでくるはず。

3位争いは熾烈で、熱田孝高と榎田諒介、そして保坂修一が数秒差でデッドヒート。熱田が8秒差で3位を守り切った形。「今回は、柔らかいタイヤ(ブリヂストンE50エクストリーム。ガミータイヤと呼ばれるハードエンデューロ向けのタイプ)を履いたんだけど、中盤からだいぶよれてしまったね。沢のルートではすごくよかったけど(笑)。だから、明日はスタンダードのE50を履いて走ることにしました」とのこと。今年は頻繁にJNCCにも参戦、JECは2度目だが相当適応してきた形。全日本モトクロスにとどまらず、モトクロス世界選手権でランキング10位のランカーだった日本を代表する熱田は、そろそろエンデューロでも覚醒の予感。

IBクラスは、1番時計を連発していた常勝の渡辺誉がクロステストで大クラッシュ。レースには復帰したものの、大幅に順位を落としてしまった。かわって1位は、安定したタイムでまとめてきた戸田学人。2位に今野保幸、3位は中島卓裕という結果に。

ウィメンズは北海道から遠征してきた高見智代が優勝。今季は圧倒的な実力でタイトルに近づく。

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