全日本エンデューロ選手権 Rd.8 北海道大会「馬場亮太、自身初のエンデューロチャンピオンに! 雨で極悪化したテストを攻めきった釘村が2連勝」
いよいよ迎えた全日本エンデューロ最終ラウンド。昨日のDAY1では汗ばむ暑さでエンデューロ日和だったものの、このDAY2では雨の予報が立っていた。朝から小雨が降り注ぎマシンやセッティングなどに非常に悩ましい状況。雨は刻々と激しさを増していき、加速度的にコンディションも悪化していった。牙をむいたのはイゾラスキー場のテストで、特に下りに苦戦するライダーが続出した。
釘村、パーフェクトな仕上がりで2日目も圧勝。馬場がそつない走りで3位に
昨日DAY1をDNFでふいにしてしまった馬場だったが、マシンをしっかり直しきってこのDAY2のスタートに並んだ。2位釘村とのポイント差は10ptで、5位以内に入れればタイトルを決定できるという状況だった。釘村にはすでに自力タイトルがなくなってしまったが、もとい自身の成長を強くうながす1年とみているだけあって最終戦にして最高の仕上がりをみせてきた。
DAY1で2位と好成績で終えた熱田孝高は、スポット参戦ということもあって気負い無く最終ラウンドも攻め切る走りを見せる。勢いあまって転倒を喫し成績を落としてしまうが「チームメイトのヨシカズ(保坂修一)にハッパをかける意味でも、うまくいったんじゃないですかね?」と言うとおり、DAY1に引き続き保坂が好タイムを連発する。2番手争いは、馬場と保坂に絞られる状況だったものの保坂がラストラップで馬場を抜き去る好走をみせて見事に逆転2位を獲得した。
釘村は「今年は成長するためにいろいろと準備をしてきた年でした。今日の難しかったイゾラテストも、大きなラインとタイトなラインをくみあわせてつなげることで、しっかり後続との差をつけることができましたし、好感触でした。タイトルは悔しいけれど、亮太がいなかったらこれほど僕も成長できなかったと思います。2年後、40歳で節目になるので、そこまでしっかりスキルを上げて世界で結果を残したい」と意気揚々と2日目を終えた。
最終戦にして調子をとりもどした保坂は「丁寧な走りを心がけていたら勢いがなくなってしまった1年でした。ISDEの経験が生きて最終戦は結果を残すことができてウレシイです。まだタイトルを獲れていないので来年こそは狙いたいです」とのこと。
馬場はモトクロスIB時代に以来の8年ぶり全日本タイトルを奪取。同じメーカーのヤマハライダーだけでなく、最強のライバルでもある釘村忠や、北海道の沼田・砂田ら、全日本モトクロスのトップランカー富田俊樹も会場に駆けつけてチャンピオンTシャツを着ることでタイトルを祝った。「最終戦でタイトルのこともあったので、特にイゾラテストでは安全運転してしまったラウンドでした。でも釘村さんにだいぶ離されてしまったので、悔しいところもありますね…。もしこのラウンドがシーズン途中だったら、もうすこしがむしゃらに走っていたかもしれません」
IBクラスは藤村昂矢が33秒差で砂田を下し、優勝
常勝の向坊拓巳がなかなか走りをまとめられない中、昨日気を吐いた砂田と藤村がデッドヒート。藤村は1本目のテストこそ6番手タイムで出遅れてしまったものの、1番時計を2度マークする好成績で砂田に33秒差をつけて勝利。後半になるにつれてタイムを落とした砂田と、逆に挙げてきた藤村の得意なコンディション差が明確に浮き彫りになった形。
NAでは片倉尚輝と杉原幸信が僅差で争いを繰り広げた。中盤まで馬庭隼人が調子がよかったものの、徐々に悪くなるコンディションで片倉が1位へ浮上。この差のつきやすいレースにおいてわずか15秒差でレースを終える接戦に。NBも田中大貴と羽田真吾で11秒差を争う接戦になった。
ウィメンズは保坂明日那が2連勝。全テストで太田晴美を下した。シーズン序盤ではフルサイズマシンを駆っていたものの、後半ではKX100にチェンジ。これが功を奏したかめきめきとスキルアップし、この最終戦をもしとめた。