<2018MFJ全日本エンデューロ選手権第2戦>広島の雪辱、果たす。釘村忠がファイナルラップで大逆転
昨年、初開催となった富山の中部ラウンドが、今年は2デイズにアップデート。コンパクトながら、走りごたえのあるルート設定は、定評のあるWRパワーレーシングによるもの。晴天とさわやかな初夏の空気がつつむコスモスポーツランドは、走るだけでは難しくないが、タイムを出すにはなかなか手強い設定となった。
トップの3名は、全員がマシンに手を加えて出てきた形。鈴木健二は開発中のKYBエアサスを常に進化させているところ。釘村忠もサスペンションをリセット、今シーズンは固めで臨んでいたが、初期を動きやすくしてきたという。田中教世は、フレームの剛性に手をいれ、さらにセカンダリインジェクターを追加。低速を補う処置を施して富山へ向かった。
DAY1、午前中はIA・IBの混走。タイム計測が始まる2周目から釘村が6分45秒のファステストラップを記録してレースを牽引。トップライダー含め、多くがミスをしながら戦いを進めていく。2番手を走る鈴木も、4周目に10秒ほどをロストするミスをするが、6分40秒台のタイムを連発して釘村を捲る展開に。田中はミスも多く、タイムを伸ばすのに苦労して4番手へ3番手は中島敬則という中盤の展開。しかし、最終周、釘村が決死のアタックを開始。これが功を奏して6分36秒、このタイムを掲示で確認した釘村はプレフィニッシュですでに逆転を確信。結果10秒差を築きあげ、まさにこの最終周で勝負を決めてきた。3番手中島は1分20秒弱、鈴木からビハインド。田中がそこからさらに1分差といったところ。また、広島に続いて渡會修也が前橋孝洋との接戦を制し、5位にランクイン。手応えを感じてたと言うだけにうれしい結果となった。
釘村忠
「うれしいです! 前週はJNCCだったんですが、効果がでるどころか疲労がとりきれなくて、レースの半ばで集中力を欠いてしまいましたね。攻められないところも多くて、ミスも多かったです。明日は明日でタフなテストになるので、今日の疲れを早めに癒やしておきたいです」
鈴木健二
「2周目のミスが無ければ、今日は勝てたかもね…。タダシと40秒をツメようと頑張っていたんですけど、タレてしまってコーナーで突っ込みきれませんでした。タダシの6分36秒は、たぶんしっかり突っ込んでいけたからだと思いますよ」
中島敬則
「攻めきれず、差をつけられてしまいました。だいたい10秒くらいですかね、たぶんウッズが健二さんにもタダシさんにも負けてしまっています。レールの中でじたばたしてしまうんですよね、まだ下手です」
IBは齋藤祐太朗が、若手急先鋒の保坂修一を破って優勝。「地元の大会ですから、負けられませんよ。でも、ミスのない周回は保坂くんも同等のタイムが出ているので、末恐ろしいですね」とのコメント。
午後はNA・NBとW、そして承認クラスのレースが開催。コスモスポーツランドのコース全長を鑑みて、同時走行台数を絞る形式が、昨年から続いている。
ウィメンズは優勝候補の菅原聖子が序盤に大きなミスをして大幅にタイムロス。近藤香織が気を吐き優勝、2位は増田まみ。3位太田晴美も最終ラップではファステストラップをマークするなど接戦であった。