<2018MFJ全日本エンデューロ選手権第5戦>前橋、初のパーフェクトウィン。若手の勢い止まず攻勢続く
2日目も、晴天。あまりにさわやかで、あまりに平和な珍しい日高2デイズエンデューロ。
震災による影響を考えて、2日目は全クラス121kmを1周。朝7時15分に第1組がパルクフェルメ入り、最終のゴールは13時20分とほとんどの日程を午前中に終えるスケジュールが組まれた。テストの数は、1周分の4つに加えてスタート地点のスキー場クロステストで5つ。おおよそISDEならば半日分程度の内容だ。
IA 太田、大神が肉薄するも届かず。前橋が日高を制す
前日に引き続き、前橋はすべてのテストで1番時計をたたき出し、このHTDEにおいてIAクラスを完封勝利。とはいうものの、途中川で水没しそうになる危機があり、川からあがっておちついてエアフィルターを絞ったら、水が大量に出てきたというから、何があってもおかしくはなかった。「ずっと余裕があったというわけではなくて、水没騒ぎがあったりもしたんですよ」という前橋。「三島エンデューロテストは、だいぶラインができたのでペースを上げることができました。何かトラブルがあるとすれば三島だと思っていたくらい、難しいテストでした。今まで出てきたエンデューロの中では、すごくうまくいったとは思いますけど、トップ陣がいない中での結果なので…」とのこと。現時点で、ロングタームターゲットとしてISDEにおいてのゴールドメダルを目指す前橋にとっては、心から納得できるものではないようだ。
2位も、前日に続いて太田幸仁。「昨日よりは、攻めることができたし、タカ(前橋)との差も詰まったかなと思います。この状況でこの結果なら、まずまずといったところですね」と太田。目下11月に控えるISDEチリへの調整に励んでいる太田だけに、冷静沈着。3位には、DAY1を崖落ちとペナルティで失敗した大神智樹が入賞。IAデビューイヤーにしてこの成績はさすが勢いのある若手と言ったところ。「祐太朗(齋藤祐太朗)くんが近所に引っ越してきたので、最近はいつも一緒に走っています。特にスプリントの走り方を参考にしていますね。まだまだ基礎が足らないなと思いました」とのこと。
IB 齋藤が連勝するも、三島テストでは飯塚翼がIAふくめトップタイムをマーク
IAと同じく齋藤祐太朗がDAY1、DAY2ともに優勝。元々の実力はIAトップレレベルの齋藤だが、易々と1位を獲れたわけではなかった。「1日目は、若手との差がテストにつき15秒くらいあったんですが、どんどんつまってきまして、最終的には数秒しかアドバンテージがなかったですね。昨日は、少しだけマージンを残していたのですが、今日は追いつかれまいと全力でした」と。エンデューロだけ練習していても上達できない、と判断して一時期離脱、モトクロスの地方選で修行を積んで舞い戻ってきた齋藤だが、その鋭さは数年前とは比べものにならない。「いまは、ワールドトロフィーでISDEに参戦するのが目標」とのこと。
齋藤を追い詰めた若手二人だが、2位は保坂修一。16歳最後のレース、二輪免許を取得してこの日高に臨んだ。「二人で齋藤さんをたおそうと思っていたですが、まだ甘かったですね…」と。ランデブー走行を続け、引っ張りあい続けた二人はこの日高の2日で成長しており、3位飯塚翼は難しいと言われていた三島エンデューロテストで、齋藤どころか前橋を上回るタイムを奪取。いまの若手が、スピードだけではないところを見せつけた形だ。「昨日よりは、うまく走れましたかね…」と飯塚。「差が少しずつつまっていったのですが、最後のクロステストでまた離されてしまいました」と。
ウィメンズ レクシィに迫る菅原聖子
昨日、多くのウィメンズライダーが水没などのトラブルやミスに苦しんだが、DAY2ではクリア。強豪、レクシィを倒せるまでには至らなかったものの、2位菅原聖子が3分3秒差まで迫った。3位は、日高ではじめて入賞できたという近藤香織が入賞。
レクシィは「再び日本に来れたことがうれしいです。数々のボランティアのおかげでこのレースができていると聞いています。彼らに感謝したい」とコメント。