<2018MFJ全日本エンデューロ選手権第7戦>SUGO DAY2、前橋孝洋が初タイトル。日本最年少のEDチャンピオンへ

<IA 6ポイントリードを守り切り、前橋孝洋チャンピオンに。大物揃いのトップ争いはファイナルクロスまでもつれ込む熱戦>

渡辺学が圧倒的な強さを発揮したDAY1からうってかわり、勢いに乗ったのは釘村忠。渡辺はエクストリームテストがDAY1同様に伸びがよかったものの、釘村はすべてのテストで好調。序盤から1番時計を連発していった。これに続いたのは、横澤拓夢と渡辺。ほんの数秒ほどの差を重ねていく3人だったが、最後の周には釘村が走行順の遅い横澤・渡辺にあわせた位置で走り、お互いを高め合った様子。極めつけは最後のエクストリームテストで、DAY1驚異的と言われた渡辺の1分36秒台を釘村、横澤がマークしたと思ったら、渡辺は1分35秒台にいれてくるという熱い展開。ファイナルクロス前、釘村・横澤・渡辺のタイム順で10秒・5秒だけのリードへ。

タイトル争いのほうは、前橋が鈴木を6ポイントリードしている状況で、鈴木はファイナルクロス前に4位、前橋が6位の状況。こちらは大きなミスがなければ前橋が固い。

全テストでの釘村のタイムは23分50秒。ファイナルクロスはおおよそ1周2分で4周だから、このDAY2はファイナルクロスの比重が非常に高い。トップを維持したい釘村と、SUGOでの総合を狙いたい渡辺、そして現役モトクロスIAのメンツをかけた横澤のファイナルクロスは、思わぬところで決着。スタートで飛び出した釘村を横澤が追い、渡辺が3番手につけるが、1周目のKYBジャンプを釘村がショート。この隙に横澤がアウトよりで釘村をパス。釘村は功を焦ったか、アウトで並んだまま勝負をしかけるも、ルンバルンバ前のコーナーで横澤と接触した衝撃ではらみながら、コースアウト。横澤はそのままフィニッシュまで圧倒的なスピード差でゴールした。5番手フィニッシュの釘村は、渡辺には譲らなかったものの、DAY2の優勝を横澤に持って行かれた形だ。鈴木は4番手フィニッシュ、7番手フィニッシュした前橋は、このDAY2のリザルトを6位でまとめあげてみごと鈴木との6ポイント差を守り切った。若干22歳、日本最年少チャンピオンが誕生した。

周囲からは、レース前から緊張が見られたという前橋だが、ようやく安堵の表情に。「今の自分の実力からすると、チャンピオンをとるのは時期が早いかなと思っています。本当にIAのトップライダーが速いマシンで全戦を戦えるなかで勝てるようになりたいです。去年のSUGO2デイズエンデューロから、250EXC-Fに乗っているのですが、なかなかマシンが合わないなと引きずりながらの1年でした。個人的には乗れていると思っていたんですが、数字をみるとタイムが出ていないことが多くて。段々それも解消してきて、このSUGOでようやくまとまった気がします」と謙虚な前橋。

逆転勝利した横澤は「2年ぶりのSUGO2デイズでした。実は、機会があるならISDEにも出てみたいと思っていて、今回も忠さん(釘村)からISDEに出るために、って誘われたんです。今日は、忠さんが乗れていてテストでのタイムも負けていましたね。自分でもいっぱいいっぱい攻めていて、あとどこを詰めたらいいのかわからない。自分がつめれば、忠さんもつめてきて、結局1番時計は今日は出せなかったです」と。

惜しくも1位を逃した釘村は「最後の最後でね…ちょっと考えればイン側にはいっていって様子をみれたのに、モトクロスのレース感がないなぁ、と反省してます。今回は、いろんなライダーがきてくれて…いつもは健二さん(鈴木)とバトルするだけなんですけど、楽しかったですね」とのこと。

DAY1の圧勝から僅差で3位となった渡辺は「このSUGOは、テスト自体が短いから差がつきづらくて、1ミスでリザルトががたっと落ちることがわかっていたので、攻めどころが難しいですよね。それと、エンデューロテストなんかでは、2ストより4ストのほうが有利だったかなと思いました。スリッピーな路面でコントロールしづらいので」とコメント。

<IB ファイナルクロス、最終コーナーまでもつれ込んだチャンピオン争いは保坂修一が奪取>

DAY1で保坂修一が1位をとったことで、ポイントランキング上は斉藤祐太朗と1位タイで並んでDAY2へ。どちらが勝ってもタイトルという状況の中で気を吐いたのは、DAY1と同様保坂だった。序盤から1番時計を連発して1周10秒ほどのリードを作っていく逃げ態勢に、ほとんど決まったと思いきや3周目のクロステストで40秒近くもミス。飯塚翼、斎藤が積算タイムで保坂を上回る展開に。しかし、4周目でもきっちりタイムを出した保坂は着実にその差を縮めていき、ファイナルクロス前には斎藤との差はわずか0.22秒に。まさにファイナルクロスを先にゴールしたほうがチャンピオンという、ドラマレースへ。

そのファイナルクロス、飯塚が飛び出しその背後に保坂、斎藤がびったりつけるというレースオーダー。モトクロスのトレーニングも内容の濃い斎藤が、保坂を少しずつ追い詰めていく。まさに背後までつけた最終コーナー、斎藤は「ここで奇跡的なコーナリングができなければ、タイトルを逃す」と決死の突っ込みをするが、これに失敗。保坂が先にフィニッシュジャンプを飛びきってタイトルを決めた。

保坂は「クロステストで失敗したのは、スタートしてすぐに崖オチしてしまい、復帰に手間取ったところです。来年はIAなので、前橋君に勝てるように頑張りたい」とのコメント。

<ウィメンズ 菅原聖子が逃げ切り勝利>

すでにタイトルが決定しているウィメンズは、DAY2菅原聖子がテストで好タイムを連発してリード。2番手近藤香織に30秒以上の差をつけたものの、ファイナルクロスではモトクロス経験者の近藤が快走をみせ、総合で菅原に迫る勢いを見せた。結果、8秒差までつめたものの、菅原が逃げ切った形でDAY2を優勝。

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