JEC Rd.1 広島プレビュー
5月7日、ついに2016年JECシーズン開幕前日、前から降り注いでいた雨が会場テージャスランチを濡らしていたが、天気予報は少しずつ回復傾向へ向かっていった。朝の小雨から、だんだんと昼間には晴天がのぞき、気温もぐんぐんと上昇していく。
広島県テージャスランチは、ベテラン前田啓介がコースレイアウトをおこなうが、ぴりっと辛口のキャンバーターンを多用する難しいルートで知られている。2014年は、タイム設定や、おりからの暑さによって熱中症も続出し、ほとんどのライダーがオンタイムで完走できないという状況に。逆に2015年はあるていど余裕をもったレース運営となっていた。この2016年も、事前の情報からは2015年を踏襲するかと思われていたが、実際にふたをあけてみると、特にリエゾンの設定は相当な難しさ。タフなヒルクライムとダウンヒル、キャンバーターンが連続する。
ただし、このコース設定は下見をするライダーからも難しいとの声が聞かれ、事前にレイアウトを修復。いくらかタフなセクションをカットしており、また朝のうちにスリッピーだった路面は、どんどん回復している。結果的には、走りごたえがありつつも、オンタイム完走率をいたずらにおとすことのない、適度な設定になりそうだ。
今シーズンの開幕で注目されているライダーは、まずトップ2の釘村忠と鈴木健二。初タイトル防衛となる釘村は、今シーズンからマシンをスイッチし、排気量アップ。CRF450Rでの参戦となる。これに呼応してか、JNCCでYZ125にスイッチしている鈴木は、JECではYZ250Xを継続。どちらも100%の実力を発揮できるマシンでの対決で、頂上決戦に注目。
目下、このトップ2に食い下がるライダーとして注目されているのは、若手の小菅泰輝に、そのライバルであるIAルーキー前橋孝洋。昨年までアンダーパワーのYZ125で参戦していた小菅は、この開幕からシェルコのファクトリーレプリカに乗り換え、オフシーズンでの成長も楽しみなところ。
IBでは、昨年ランキング4位の佐伯竜。BetaからハスクバーナTE250に乗り換えて心機一転。また、JNCCのAA2チャンピオン石戸谷蓮がこのIBにあがってきていること、同じくナショナルチャンピオンでIBに昇格している在原勉もスピードに富む。
ナショナルは人数多く、チャンピオン争いが熾烈。
ウィメンズでは、昨シーズン圧倒的な実力をみせた福田雅美だけでなく、モトクロスレディスチャンピオン経験者でMTBダウンヒルでは世界戦をまわった井手川まみがフルシーズン参戦。今シーズンの台風の目になることは間違いないところ。