JEC Rd.2 村田SUGO2デイズエンデューロ「悪夢のマディ地獄、馬場亮太 VS 釘村忠の一騎打ちを制したのは」
例年の最終戦とは異なり、春先に開催された2022年の村田SUGO2デイズエンデューロ。Rd2としての、DAY1は台風1号の影響で事前に降り続けた雨の影響を思い切り受けたレースとなった。たっぷり水分を含んだSUGOの土に、所々おおきな水たまりが出現。普段のマディよりも、この水たまりから流れる大量の水が局部的に深いワダチを生み出した。また、レベル差があるエンデューロにおいては、承認クラス・国内クラスがつくるワダチがかなり変形してしまい、これをうまく使って走ろうとすると難しい。また、序盤はまるで氷の上のような引っかかりのないスリッパリーな路面が続出し、特にエンデューロテストは至難に。
ただ、たとえばNBクラスにおいて60分の遅着を超えてDNFとなってしまったのは36名中10名。NAクラスが22名中2名と、完走率はそれほど悪くはない。全日本格式に参戦するライダー達のレベルが、年々上がっていることが窺える1戦だった。
IAクラス ミスを重ねる馬場亮太を、釘村忠が追う
最高峰のIAクラスは、広島で圧勝を遂げた馬場がここSUGOでも好調。ただし、本人の内心は序盤からミスの連続で転倒も多く、釘村には負けてしまうかもしれないと考えていたという。近いスタート位置で走っていた釘村も、この馬場の様子は見えていたが、スピードの差には気付いていて、ミスをしながらも釘村同等のタイムを出し続ける馬場と、シーソーゲームが続いた。
若手は、チャンピオンの飯塚翼が1番時計こそ奪えなかったものの、2番手タイムを多くあつめて3番手でトップ二人を追う。大神智樹が昨年につづいてエクストリームテストで好タイムをマーク、1番時計を2本奪う活躍で序盤は4番手、飯塚に肉薄する走りを見せていた。だが、大神はエンデューロテストで1分以上のロスをしてしまい、保坂修一に4番手を譲る形に。
釘村と馬場の争いは、最終テスト前で3秒差。馬場は、この最終テストでも転倒してしまい、さすがにもう負けてしまったと思ったとのこと。しかし、終わってみればその差0.47秒で馬場の勝利に。
「昨年、このSUGOでYZ125Xで勝負できたので、コースに自信はありました。でも、1つめのテストでそれが全部なくなるくらい、やばいなって思いました…。2周目から絶対ころばない走りに切り替えたんですが、それでもあまりうまくいかなくて。みんなこんな感じなのかもしれない、大丈夫かなって思いながら走ってましたが、ギリギリで勝てましたね。ただ、釘村さんは今年200ccなんで、少し差があるのかなって思っています。僕の乗っているYZ250FXはかなり走るんですよ。サクラ工業のエキゾーストがこれまたすごくよくて、すごく助けられていると思います。明日はもう少しスムーズに走れればいいですね…」と馬場。
馬場の言うとおり、今季の釘村は2スト200ccをチョイス。モトクロッサーの2ストロークとはだいぶ性格がことなることは事実だ。釘村によれば「広島でうまく乗れなかった部分があって、いろいろ修正してきました。今日走ってみて、だいぶコーナーが角角してしまっていて、僕としては大きく曲がっていきたいんですけど、むずかしかったですね。もう少しプッシュできそうな部分があったので、明日はそのへんを復習しておきます。亮太(馬場)はやっぱり速いですね」とこと。
飯塚は「1周目でミスもありましたけど、まわりとくらべるとまぁまぁでしたね。ワダチが凄くてスタックするところもありましたけど、思ったよりコンディションの回復が早かったですね。モトクロス時代からそうなんですが、マディのあとのうねうねしたわだちが苦手意識があって…後半攻めきれなかったなと思います。明日はこのままだと、苦手なコンディションになってしまうんで、ちょっと考えなくちゃなと」とのこと。
IBクラス ライバル不在か、向坊が2連勝。NAは高橋吟がIBレベルのタイムで圧勝
昨年のNAクラスを席巻した向坊拓巳は、このSUGOにおいても勝利。IAクラスでいうと、15番手付近のタイムを集めており十分な実力を発揮する。ただし、序盤はなかなかタイムを集めることができずに苦戦。「マディコンディションは苦手なんで…。前半は上のほうのタイムをだせませんでした。好きではないコンディションですね。高校生の青木君とか、ベテランのライダーたちがかなり強敵なので油断はできないと思っています」と向坊。明日への意気も高かった。
2位は藤村昂矢で1分24秒差、3位には世利和輝がイン。
NAはやはりIAクラスに肉薄するレベルで高橋吟が圧勝。2位杉原幸信に5分の差をつけてクラス違いの実力を見せ付けている。NBも、やはりJNCCなどでAAクラス、すでに名をあげている出口隼飛が他を大きく引き離す走り。2名の参戦があったジュニアクラスは澤田誠翔が楠原歩との接戦を制して勝利。ウィメンズクラスは太田晴美が制した。「去年までの私じゃ、今日のコースは帰って来れませんでした。とてもいい練習になったんじゃないかなと思います。明日は今日走っていなかった若い子が走るはずなんで、負けないように頑張りますよ」と太田。