JEC Rd.2 村田SUGO2デイズエンデューロ速報 馬場亮太に死角なし、猛追する日本のトップ陣

全日本エンデューロ選手権の村田SUGO2デイズエンデューロは、DAY1とDAY2を別ラウンドとして開催。したがってDAY1をリタイアしてしまっても、DAY2では車検を受け直して気持ちを新たに再チャレンジできることが魅力だ。

 

DAY1はドライコンディションでこれ以上にない好条件だったが、DAY2もそれにましてエンデューロ日和に。気温は28度くらいまで上昇すると予報されていたことから、DAY1終了後の選手会で周回数を1周減らすことが提案されたものの、選手たちの反応は芳しくなく、結局規定の周回数(IA・IB・NAは6周、NB・Wは5周)でスタートすることになった。DAY1よりもルートの路面はギャップで荒れており、じわじわとライダー達の体力を削っていくオンタイムエンデューロらしい設定だと好評だった。

IA テストは3名がトップタイムを分け合う熾烈な戦いに

昨シーズン、マシンパワー的に不利だとされていた2スト125ccながらチャンピオンを維持した馬場亮太。思えばその頃から無双は始まっていたのかも知れない。今年のマシンは2スト125とは真逆のYZ450FXで、日本のコースではなかなか取り扱いに難しく成績に結びつかないことも多いが有り余るパワーを存分に路面にたたきつけることが出来れば最速の地位は揺るがない。馬場は1つめのテストからその450ccのパワーを最大限に活かしてトップタイムをマークし続けた。実に全18テスト中、10のテストで一番時計を連発。450ccでは難しいエクストリームテストでも大きくタイムを落とさず2番手タイムで走行してしまう。SUGOの馬場に、まったく死角は見当たらない。

第二グループの争いは熾烈だった。DAY1で2位だった渡辺学はマシントラブルで早々に戦線離脱しており、レースの行方は釘村忠、田中教世、榎田諒介に絞られる形となった。馬場を大いに意識する釘村が、辛くも3つのトップタイムを奪取、またDAY1に続いてエクストリームテストのトップタイムは大神智樹が5つを獲得している。田中、榎田はトップタイムを出せずに苦戦を強いられた形だ。

結果的に2番手を譲らなかった釘村が、馬場から50秒差。田中と榎田はテストを重ねる毎に順位を入れ替えながら3位を争っているが、榎田の5周目のエクストリームテストでのタイムロスが決め手になり田中がポディウムの一角に。

馬場亮太

「大きなミスはしてないですね、最後の周は少しペースを落として安全策をとりました。昨日は、タイヤが減ってきて空転し始めてから走り方を変えてタイヤをグリップさせる方向で使うことで、タイムを維持するように走っていたのですが、今日は最初からそういう走り方をしていました。それでも今日はタイヤの消耗が早かったですね。路面に硬いところが出てきたからですかね。テストはエクストリームテストで2秒くらい詰めることができて、嬉しいです。クイックなセクションで丁寧に回っていたのを、うまくリズムをつなげたことで改善できたんですよ」

釘村忠

「今日は自分から自滅しちゃってましたが、それが無かったとしても亮太のほうが速かったですね……。もう亮太は2気筒にでも乗ってもらいたいです(笑)! 次戦以降の対策はありますよ。今回は初めてハスクバーナで走ったのですが、セッティングももっと煮詰めることができると思うんです。今日来て貰っていたメカニックは全日本モトクロスのファクトリーでも活躍していたメカで、いろんな指摘をもらいました。次のテージャスランチまでにしっかり見つめ直して臨みたいと思います」

田中教世

「コンスタントにタイムを刻むことはできたんですが、スペシャルテストでトップを取れなかったのが悔やまれますね。みんな速くて、そこになんとか食らいついていくという気持ちに切り替えました。エンデューロテストはモトクロスライダーの得意分野に見えるかもしれませんが、フラットすぎてどこをきっかけに曲がればよいのかわからず苦戦してしまいました」

 

IB 出口隼飛が安定の優勝、エクストリームテストは田中大貴が優勢

IBクラスはDAY1に続いて出口隼飛が他を圧倒。18テスト中12テストでトップタイムをマーク、残る6テストでも2番手タイムという結果に。出口の2番手タイムだったテストは、ほとんどエクストリームテストに集約されており、そのうちの5本は2位の田中大貴が奪う結果となった。今大会はクロステスト、エンデューロテストで極めて差をつけづらい構成となっていることから、エクストリームテストが勝負どころになりやすかったのだが、出口はそれをものともせず圧倒的なスピードでIAに肉薄するタイムで走りきったことになる。3位の山口智はエンデューロテストで1本トップタイムをマーク。2番手タイムも多く、2度の大きなタイムロスが悔やまれるところだ。

 

出口隼飛

「これまでNB、NAでは申し訳ない気持ちで走っていたので(出口はモトクロスIAのライセンスを持っておりスピードに差があるため)、IBになってようやく解放された気持ちです。エクストリームテストは一切やったことがなくて、ヒューム管超えるなんてそもそも想定していませんでした。テストを重ねるうちに、みんなヒューム管を超えているのをみて、ようやくタイムの詰め方を理解したんですよ」

 

ウィメンズ 松本亜希子が5周を走りきって優勝

全5周で争われたウィメンズクラスでは、DAY1を圧倒した保坂明日那がクラッシュしてDNFとなってしまう。エントリーが2名のみだったこともあり、残る松本は慎重にこの5周を走りきることで村田SUGO2デイズエンデューロを勝利した。

 

松本亜希子

「身体がきつかったですね。3周はオンタイムで回れたんですが、そのあとは沢で体力をしっかり消耗してしまいましたね。4周目の沢で遅着しはじめてしまったんですが、その周回でパドックで明日那ちゃんがリタイアし、走りきれば優勝できると聞きました。最後の周はゆったり走りました! 目標はケガ無く、楽しく、長く乗りたいです!!」

 

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