JEC Rd.3 村田SUGO2デイズエンデューロ「タフな2日目、リードを譲らず馬場がストレート勝ち」
土曜日に開催されたDAY1のワダチをそのままに、タフなトラックでおこなわれた2日目。朝方の氷点下から、気温はぐんぐん上昇し、ワダチの多くは乾いて固く変化。タイムを狙うラインは、普段よりも少なく、思い切ったタイム短縮を狙うにはクリエイティブなレースの組み立て方が問われた。ルートも一筋縄ではいかず、NBクラスや承認クラスでは、遅着も少なくない。だが、さすがにDAY1にくらべれば、グッドコンディションと表現できるものだ。
IAクラス、馬場亮太が席巻。苦手なテストは差し置き、スピードに大きな差
昨日に引き続き、トップ2は馬場と釘村忠に絞られる展開に。何度も転倒を喫した昨日とはちがって無難にタイムを刻んでいく馬場の前に、釘村はおよばず。18テスト中、馬場は8テストで1番時計をマークして、堂々SUGO2デイズエンデューロをパーフェクトウィンで決めた。釘村は、終盤に気を吐き、20秒以上の差を少しずつきりつめていったが、最終的には15秒59差で2位。
3位には1分4秒差でやはり昨日同様に飯塚翼がイン。2年前まではミスが目立った飯塚だが、タイトルを獲った昨年から安定しはじめ、今季も好調。
4位争いは、立ち上がりで調子をだせなかった榎田諒介が奪取。序盤は、IAルーキーの酢崎友哉が4番手をマーク、表彰台をもうかがう勢いをみせたが、やはり序盤で4番手をマークした大神智樹がエクストリームテストで3度の一番時計を奪って5位へ。昨シーズンまで榎田は表彰台の一角を占める強さをみせていたが、大神、酢崎の台頭で混戦時代へ突入した感がある。
馬場は「序盤は2〜3秒の差だったんで、まずいなと思ってました。釘村さんがコンディションの回復と共にタイムをあげてくるのはわかってたんで。僕はエクストリームテストが遅かったので、みんなが走るのを参考にしました。まだいろんなラインがあるんだってわかって、うまくタイムをつめることができたんです。そこでアドバンテージが築けた感じですね」と振り返る。モトクロスIA時代は、トップライダーに数えられた一人。現在は、チーム員の町田旺郷を教える立場になり、逆に刺激を受けて全日本への参戦を決めたという。
今回は、馬場に完敗。モトクロス、エンデューロともに先輩の立場だけに悔しさが残る釘村だが「エクストリームテストで一度ミスしてしまって、そこでスイッチが切れた感じでした。そのまえまではうまくいってたんですが…、最後はいいとこ見せようとして頑張りましたよ。次戦は富山で、Betaの地元ですから負けるわけにいかないです!」と意気をまく。
前二人に差をつけられつつも、3位の飯塚は「亮太君がやっぱり速くて。一昨年まで、かなり攻めすぎていたんですが、去年からちゃんと結果をまとめられるように走りを変えました。今日も、ここはもっと攻められるなって思えるところがあります。ミス無く攻められるのが、前の二人だと思うので、攻めと守りのバランスをとれることが課題ですね」と語る。
向坊拓巳、完全優勝。2位いは若手の青木琥珀の手に
IBは、向坊拓巳が今季3勝目を飾った。コンディションにかかわらず、安定感のある攻めの姿勢は、今季IBの最有力チャンピオン候補だ。2位以下は混戦で、高校生ライダーの青木琥珀が10秒足らずのリードを追いすがる金田拓典を振り切る形で勝利。IBクラス初の表彰台へ。
向坊は「晴れてくれたので、なんとか勝つことができました。今年はIAを目標にしていますが、将来はむしろ目標にしてもらえるようなライダーになりたいと思っています」と。モトクロスIB時代のスピードに対するアプローチを活かし、ぐいぐい成長する大学4年生。
NA、NBは昨日同様にクラスを超えるスピードを持った高橋吟、出口隼飛が圧倒的なパフォーマンスをみせて優勝。ウィメンズクラスも、昨日に続いて太田晴美が優勝を決めている。
今季は、ドイツでおこなわれるエンデューロGP最終戦に参戦する太田。「今日はやっと攻めることができた感じですね。昨日は昨日で、諦めないで最後まで走るといういい経験にはなったと思っています」と2日間にわたるレースの手応えを感じた模様。
なお、今回は村田町のゆるキャラ「くらりん」の袋にけんちゃんちのおにぎり(全員)と木村屋菓子店の「けやきサブレ」 、または丹野屋菓子店の「うぐいす饅頭」が村田町から提供。地元と共に盛り上がるエンデューロらしい光景がみられた。