JEC Rd.4 いなべMSL「中部を地元とするランカーが、釘村忠を迎え撃つ」

開幕戦は、広島にて1DAY。コロナ禍でスケジュールが変更され、Rd.2-3はルスツとなり、迎えたRd.4は初のいなべモータースポーツランド開催となった。充実度をはかるため、2DAY開催ではあるものの、土・日で独立したラウンドではなく、単一のラウンドになり、土曜日にIA〜NAのテストと、デュアルレーンのスーパーテストを開催。日曜日はNB〜JRのテストと、全クラスのファイナルクロスをおこなう。したがって、IA〜NAにとってもDAY1は途中結果となるのだ。

JECとしては当然のことながら、タイトルホルダー釘村忠と鈴木健二の戦いが最上位で繰り広げられるが、今回は様相がことなった。まず、モトクロスで元ファクトリーだった尾崎友哉がスポット参戦してきたこと。また、チャンピオン経験者の前橋孝洋がこのいなべをホームコースとしていること…などだ。

さらに異変…鈴木健二がまさかのリタイア

そもそも、鈴木健二はめずらしくタイムが伸び悩んでいた。得意とするマディコンディションだったのにもかかわらず、好調だった釘村に水をあけられるのはともかく、前橋が釘村につぐ2番手タイムを連発。どこか空回り気味な鈴木だったが、それとは関係なく6ラップ目にマシントラブル。一度はコースに復帰するものの、すぐに再発してしまいDNFを喫してしまう。

対して釘村は、水を得たように乗れていた。本人のコメントも調子がよく、ISDEでコンビを組んだ大神智樹が負傷を理由にBetaチームのサポートに徹しているからかもしれない。パドックのムードは明らかに前のめりで、どんどんタイムをつめていこうという雰囲気。こうなれば、釘村に敵は居ない。

同じように前橋も、好調だった。鈴木が抜けたあとには単独2番手を維持し続けた。3番手常連だった保坂修一が伸び悩んだこともあるが、前橋のタイムがまとまってきたことが大きな原因だ。そして3番手には榎田諒介が食い込む結果に。榎田もここいなべを、モトクロス時代から走り込んだ地元ライダーである。

釘村忠
「KYBに仕立ててもらったリアサスペンションが、すごくよくて、意図したとおりの動きをしてくれました。そのこともよかったんですが、ルスツ前からやりたかったファイナルのセッティングもうまくはまったことが、好結果につながったのだと思います。今日は、雨の日の健二さんに勝ちたいと思っていたので、ちょっとリタイアが残念ですね」

前橋孝洋
「地元なので、むしろ固くなってしまったところもありましたが、なんとか半分くらいはリラックスして乗れました。スランプに陥っていて、ルスツではだいぶ回復したんですが、結果にはつながらず。今回は結果につながりそうでうれしいですね」

榎田諒介
「普段から走らせてもらっているバンブーランドと同じような土質ですし、ここはモトクロス時代にもさんざん走ったコース。ちょっとトラクションのさせかたもクセがあるんですよ。スーパーテストで1番時計とれたことがうれしい!」

IBに刺客、大橋銀河が渡邊誉を狙い撃つ 

ここ3戦、渡邊が一人勝ちの状況だったIBクラスだが、いなべ大会にはJNCCでも頭角を現してきた大橋銀河が参戦。序盤は、渡邊をうわまわるタイムを連発し、初優勝を想像させたが、中盤〜後半でミスが目立ち、渡邊も復調。IB最強の座を、守り切った。ベストタイムこそ渡邊が獲ったが、マディコンディションが急速に回復していく中での後半におけるベストラップ。最後のデュアルレーンでは、大橋の勝利、まだまだ数戦を経てみなければ、この二人の対決は明暗付きそうに無い。

渡邊誉
「最初の方は、コースにびびってました。どうにも乗れなくて、タイムが出ずに銀河に負けていたんです。だんだん乗れてきて、ベストラップは出せたので、よかったかなと」

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