JEC Rd.4 ルスツ2デイズエンデューロDAY1「飯塚VS保坂、チャンピオンシップを賭けた若手バトルが白熱」

新型コロナウイルスの影響で昨年に引き続き日高町での大会は見送り、今年も留寿都村での全日本選手権開催とあいなった。ただし、今年は日高よろしく、ビッグベアOHVパーク内だけでなく林道や舗装路を使用したオープンエンデューロ形式で開催。貫気別山(通称:イゾラ山)にエンデューロテストが設置され、一周約40kmのダイナミックな大会となった。

もちろん、エントリー車両は公道走行可能なものに限られ、ナンバープレートや保安部品なども義務付けられた。各選手は創意工夫を凝らしてマシンを準備し、セッティングを出し、準備万端で留寿都村に集結した。

逃げる飯塚、追う保坂

DAY1となる土曜日は朝から小雨が降り続いていた。午後からは好転する予報だったが、スタートではヘルメットの延長バイザーやブーツゲイターなど、各選手雨対策に余念がなかった。

さて、今年のチャンピオンシップだ。第一戦広島は釘村忠がマシントラブルでノーポイント、第二戦のいなべでは鈴木健二がファイナルクロスで大クラッシュを喫し、DAY2にノーポイントという荒れた展開。そんな中、若手の保坂修一がランキングトップで今大会を迎えた。そしてなんと、釘村と鈴木はともにこのルスツ大会を欠席。同じく若手のランキング3位、飯塚翼と保坂の戦いに注目が集まった。

しかし、なんと保坂は2週間前に出場した他のレースで鎖骨を骨折。今回も北海道まで来たものの、出場は当日まで迷いを見せていた。もし今年チャンピオンが獲れれば最年少記録。しかし、下手をすればこれからずっと続くはずのライダー生命を大きく削ることになる。保坂の決断は、GOだった。

スタートしてすぐに待ち受けるベアエンデューロテストは昨年と同じビッグボアOHVパーク。そしてほぼフラットダートな林道を繋いで移動した先のイゾラ山にエンデューロテストが設置され、舗装路と林道を使ってビッグボアOHVパークに戻る行程だ。霧で視界が悪く、雨の影響で滑りやすいコンディションを鑑みて、急遽、1周目のタイム計測なしが決まり、DAY1は全6テストで勝負が決まることになった。

最初のエンデューロテストでまず1番時計を出したのは、飯塚だった。「抑えて走った」と言うものの、前半3回のテストで2度の1番時計をマークし、レースをリードした。この時点で、保坂とは約24秒の差をつけていた。

しかしここから保坂がペースをあげた。後半3つのテストですべて1番時計をマークし、猛烈な追い上げを見せると、飯塚との差を2秒17まで縮めることに成功した。が、DAY1は飯塚が前半のリードを守り切り優勝。2位は保坂、そして3位にはイゾラエンデューロテストで久しぶりの1番時計を記録した内山裕太郎が入った。

「今日はかなり守りの走りでした。まだまだいける余裕はあったんですけど、釘村さんも健二さん(鈴木)もいなくてヨシカズ(保坂)も怪我しているので、様子を見ながら走っていたら、追いつかれそうになってしまいました。朝はすこし土が湿っていてベストコンディションだったんですけど、乾いてきたら逆にフロントが取られるようになってしまい、コースも荒れてきて、うまくペースが上げられませんでした。明日はもうちょっと攻められるように頑張ります」と飯塚。2019年に保坂とともにIAに昇格し、今大会が初優勝となった。

「前半は怪我の具合を確認しながら様子をみて走っていましたが、どうやら大丈夫そうだったので、後半はペースアップしました。今のところ痛みはないので、明日はもうちょっと攻められると思います。鎖骨に負担がかからないように走り方も少し工夫してスタンディング多めにして、それに合わせてサスのセッティングも変えています。今年は北海道選手権でビッグベアOHVパークを走っていたので、その経験がかなり役に立ちました」と保坂。

「(1番時計が)でたねぇ。次の周もすごく調子よかったんだけど、一回転んじゃったんですよ。でも自分なりに気持ちよく攻められたと思います。4ストの250ccだから、ゲレンデの登りはどうしてもパワー負けしちゃいますよね。下り勝負だね」と嬉しそうに語る内山は2008年式のWR250Fでの参戦だ。

IAクラスは飯塚、保坂、内山に続き、4位大神智樹、5位太田幸仁、6位齋藤祐太朗というリザルト。DAY1は雨予報のため、タイム設定が周回に要する時間設定を長めにとったBタイムだったが、思いの外コンディションが良かったため、IAは15分近く余裕を持って周回を終え、長いブレイクタイムを確保できていた。しかしDAY2は晴天の予報のためAタイムになると思われる。つまり一周ごとの休憩時間が少なくなってくるのだ。また、IAのトップ2である飯塚、保坂はともにタイヤ交換せずにパルクフェルメイン。明日も同じタイヤで戦うことになる。保坂は鎖骨をかばっての決断だが、飯塚は「あまり減っていないので」と余裕の様子。

いよいよ世代交代の足音が聞こえる
10〜20代が優勝を占めた

IBクラスは16才でこのルスツのために免許を取得したという怪童、酢崎友哉がすべてのテストで1番時計を叩き出し、圧勝。IAでも6位に相当するタイムだった。「攻める難しさがありましたね。特にイゾラエンデューロテストの下りは最初は全然バンクや轍がなくて苦労しました」とコメント。

NAクラスは大学3年生の向坊拓巳が優勝。
「いつもはYZ250FXに乗ってるんですけど、このためにハスクバーナのTE250を買いました。軽くて扱いやすくて、なんとか逃げ切ることができました。5月に耐久レースで打撲してしまったんですけど、もうほとんど影響はありません」と向坊。

NBクラスは今大会がJEC初出場となる高橋吟が優勝。
「このレースのためにWR250Rを借りて、今日初めて乗ったんですよ。フロントタイヤにIRCのVX30を使ったんですけど、良く刺さって土に強いタイヤです。BABANA SHOXでフロントサスペンションのオーバーホールをしてもらった時に油面を少し高くしてくれたので、すごく乗りやすかったです。JECは初めてなんですけどIAを目指して出場し続けたいと思っています」なんと高橋のタイムはIBでも3位相当の好タイム。IAを目指す、というのも頷ける。まずは来年のNA昇格を目指してSUGOも出場予定とのこと。

ウィメンズは今回1人だけのエントリーとなったが、保坂修一の妹、明日那が優勝。なんと、今大会ただ1人のミニモト、KX100でのエントリーで見事完走を果たした。「コースが広くて楽しく走れました。ウィメンズクラスで競う相手がいないのは残念ですが、明日も頑張って走ります」とコメント。

DAY1の優勝者を並べてみると、飯塚、向坊、高橋は20代、酢崎、保坂に至っては10代という若手が席巻した驚くべき大会となった。

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