JEC Rd.6 SUGO2デイズエンデューロ DAY1「思わぬ伏兵、タイトルマッチをかき回す馬場亮太。釘村危うし」

全日本エンデューロもいよいよこの週末の2ラウンドで、シーズンを終える。このコロナ禍において、前戦のルスツを最強のライダーでありタイトルホルダーの釘村忠がスキップ。また鈴木健二も今年はフル参戦におよばず、この2トップがタイトル争いには関わってこない年になってしまっている。SUGO前の勢力図は、若手2名に絞られていた。飯塚翼が1位、そして保坂修一が2位。この二人のポイント差はわずか6ptで、あっという間にひっくり返ってしまうため、緊迫感のある最終戦に。今季は飯塚がミスなく、またマシンを変更したことでかなり堅調だと言えるが、保坂は以前も最終戦SUGOでひっくり返した経験があり、縁起も良い。

コースは、昨年同様にモトクロスコースをベースとしたエンデューロテストが1本、たばこ団地付近のクロステストが1本、そして昨年とはかわってエクストリームテストが復活して計3本のテストが用意された。気温は平年よりだいぶ暖かく、紅葉を眺めながらの好エンデューロ日和。コンディションも上々であった。

IAクラスは釘村忠が辛勝。初参戦の馬場亮太が強烈なジャブ

序盤は、敵なしとおもわれた釘村忠が余裕で1番時計をマークしていく展開だったのだが、ライブリザルトは2位以下が荒れていた。2番手争っていたのは、飯塚・保坂ではなくなんと初参戦の馬場亮太と、復帰参戦の中島敬則。馬場は、モトクロス国際A級出身で、2019年のISDEドリームチームの一員馬場大貴の実弟。序盤こそ3番手、4番手タイムで立ち上がったのだが、早くも計測2周目で1番時計を奪取。特にエンデューロテストを得意としていたのだが、なんと慣れないエクストリームテストでもファステストを奪い始めるという活躍ぶり。保坂は、計測1周目のエクストリームテストでコースミスによる大幅なタイムダウンを喫し、ミスの少ない上位勢を伺う走りに。飯塚は中島をパス、単独3番手へ浮上する。

最終ラップの最終クロステスト前には、いよいよ馬場が釘村まで0.6秒差までおいつめるという事態に。これに気付いていなかった馬場だったが、惜しくもこのテストで転倒を喫し、釘村が8秒差でトップを守りきった。飯塚は55秒差で3位、中島がその後ろ4位、保坂が5位。これで飯塚と保坂の差は、11ptにひらき、飯塚の初タイトルがさらに近づいたことになる。

釘村忠
「転んだら負けっていう最終周でした。エンデューロテストが亮太のほうが速くて、明日は集中して走れないと、負けちゃいますね。こんな亮太が速いとは思ってませんでした。バイクは125ccですしね、亮太のポテンシャルがそれだけ高かったんだなと。乗り方キレイで、ちゃんと考えて乗ってるんですよね。今後、もっとこつをつかんだら、僕らより速くなっちゃうかもしれません」

馬場亮太
「初エンデューロです。自分でも成績よくてびっくりしています。エクストリームテストで、クギチューさんと大神さんがトライアルっぽいワザを駆使してるのをみて、あれには勝てないなって思ってたんですが、意外にもタイムが出せていたみたいです。止まらないように、って意識しながら走りました」

飯塚翼
「釘村さんに勝ちたいなって思っていたんですが、ヨシカズ(保坂)との差も気になってしまって、結局全然攻めることができませんでした。大事に走ってしまった感があります。ただ、頑張ったとしても、本当にギリギリまで攻めないと追いつかないと思いますし、差はまだ大きいなと思いました。明日は、チャンピオンらしい走りしたいなと思います」

IBは酢崎友哉が引き続き圧勝

IBクラスは、今季圧倒的な実力差でIAクラスのタイムを連発している酢崎友哉が、後続に1分34秒の差をつけて今戦も圧勝を遂げている。SUGO前に、これまでのKX250SE(エンデューロ用モディファイ車)から、2022年式のKX250(モトクロッサー)に乗り換え、さらなる火力を手にした酢崎に、最終戦も死角はなさそうだ。2位は、北海道から参戦の馬場崇行がイン。

酢崎友哉
「今年モトクロスやってて、モトクロス全国大会でSUGOも走っていたんです。だいぶ慣れていて、結構自信があったんですが、それ以外のところがいまいちでしたね。2022のKX250は、どのテストも問題無く走れました」

NAクラスでは、やはり今季強さを見せ付けている向坊拓巳が、2位泉谷之則に49秒差で勝利。NBクラスにおいては、ハードエンデューロやJNCCで頭角をあらわしてきた高橋吟が、山本礼人に42秒差をつけてこちらも余裕を持った優勝を手にしている。

ジュニアクラスは、1名のエントリーで楠原歩がみごと完走。ウィメンズでは保坂明日那との熾烈な争いを制した太田晴美が5つの一番時計をもって優勝した。

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