JEC Rd.7 SUGO2デイズエンデューロ DAY2「飯塚翼、初のチャンピオンへ。保坂が食い下がるも一歩及ばず」

波乱のDAY1から一晩明けて、最終ラウンド。SUGO2デイズエンデューロの2日目は、ファイナルクロスが待ち受けており、この結果がかなり大きなタイム要素になる。午前中におこなわれるテストが、おおよそIAで40分くらいの積算タイムで、ファイナルクロスはIAで10分ほど。ISDEを起源にもつこのファイナルクロス、本家は6日間あるうちのわずかな割合で、なかなか最終日にどんでん返しは起きないとされるのに対し、SUGOではまさにタイトルをかけた真剣勝負が見られるものだ。

天候は引き続き晴天、しかし気温は昼になっても上がってこず、身体は動かしづらい環境。特に朝7:30にスタートし、ルート設定無くすぐにエンデューロテストが待ち受けるため、コンディション作りも大切なスキルとなっていた。

IAクラスは釘村忠がさすがの集中力をもって優勝、チャンピオンは飯塚翼の手に

DAY1は新人馬場亮太に翻弄されたIAクラスだったが、このDAY2では振るわずレース中盤にDNFを喫してしまった。代わりにタイトルホルダーの釘村忠を脅かしたのは、実力派の榎田諒介。序盤に一番時計を連発し、立ち上がりに苦労する釘村を席巻する。だが、その調子も2ラップ目には払拭。入念にテスト前に下見をし、コンセントレーションを高めた釘村が手のつけられない状態に。貫禄をみせ、午前のレースを余裕をもって1位で通過した。

2番手は、榎田が25秒背後に食らいつく。チャンピオン争いは、遅れをとっていた保坂修一が僅差で飯塚を下すものの、DAY1であけられてしまった差には遠く及ばない形。5番手には、中島敬則がイン。ファイナルクロスは、釘村が堅調。そして、飯塚もミスがなければ、チャンピオン決定は固いものとされた。

そして迎えた運命のファイナルクロス。スタートを制したのは沼田誠司。しかし、オープニングラップですぐさま飯塚がモトクロスIAレジェンドの沼田をパスして、一気にその差を拡げていく展開。強豪釘村は出遅れ、ライバル保坂は沼田の背後を追う。飯塚の激走は、最終周までつづき、チャンピオン確定をすがすがしい形でものにした。保坂との長いライバル関係は、今後も続くはず。DAY2の総合優勝は堅く釘村が守り切り、SUGO2デイズエンデューロをパーフェクト優勝。

飯塚翼
「最高です。ファイナルクロスで沼田さんが前に見えた時、これはいけるなって思っていました。

今年は、広島の開幕でマシンが変わったこともあって、調子がよかったのですが、そのあと学生から社会人になってとても悩みました。このままレースできるのかなって。乗ることもなかなかできないなか、ヨシカズ(保坂)は毎日のように乗れる環境を作っていて、このままじゃヨシカズがどんどん速くなってしまうし。エンジョイライダーとして走ったほうがいいんじゃないかって思っていたんです。1ヶ月以上バイクに乗らなかったんですよ。それで、いなべのエンデューロ中日本を見に行ったら、気持ちが切り替わってもう一度乗りたいと思いました。そこからは、仕事終わってからは毎日トレーニングして、バイク整備して、バイク漬けの生活を続けてきました。やっぱりバイクは楽しかったんです」

釘村忠
「朝イチ全然身体が動かなくて、ミスが多くなってしまって。歳ですかね(笑)。テストはだいぶ集中して走れたので、いいとしましょう。ファイナルクロスは1コーナーで転倒、なんとか立て直したんです。SUGOのファイナルクロスは、毎回転んでて、なんかあまりいい思い出がないですね」

保坂修一
「骨折もあって、苦しいシーズンになってしまいましたね。骨折は言い訳でしかないのですが…自分の実力がそぐわなかった、ということだと思います。最終戦のおかげで、スピードがいかに不足しているかがわかりました。来年こそ、釘村さんに勝てるように頑張りたいです」

モトクロススキルを手に入れた酢崎友哉が、さらなる飛躍を目指す

IBクラスは、今シーズンを圧倒的なスピードでものにしてきた酢崎が、午前も快調にトップ通過。IA換算で8位に入れるタイムでフィニッシュをしており、2番手には2分11秒ものアドバンテージを確保。本人の意識もすでにIAへ向いており、来季IAルーキーとしてかきまわしてくれる存在になるはず。

酢崎友哉
「昨日よりコースになれてきて走りやすかったですね。ファイナルクロスのためにSUGOに出たといっても過言ではないくらい、SUGOが好きなんですが、ホールショットからしっかり走れたんで、よかったと思います。今日のタイムみると、IAクラスで7位とか8位くらいなので、まだまだ。来年のために、成田モトクロスパークで練習を積んできます」

NAクラスも、やはりDAY1に引き続いて向坊拓巳が圧勝の展開。見事に王者に輝いた。NBクラスは高橋吟がDNSとなり、山本礼人が危なげない走りで優勝。山本の主戦場であるハードエンデューロのG-NETでは一足先にタイトルを決めており、今季はNBクラスのタイトルとあわせて2冠ということに。

ウィメンズクラスでは、保坂明日那がDNSで太田晴美に軍配。

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